物語で楽しみながら分かりやすくマーケティングが学べるオススメの一冊
「どうしたら、同じ商品でも“選ばれる存在”になれるのか?」
この問いに、ストーリー仕立てで答えてくれるのが『100円のコーラを1000円で売る方法』です。
- 100円のコーラを1000円で売る方法が気になる人
- 価格競争から脱したい人
- 難しいマーケティング理論が苦手な初心者の人
ストーリー概要
会計ソフトウェア会社で働く宮前久美が、営業部から商品企画部に異動し、次長の与田に鍛えられながらマーケティングの本質を学んでいく物語です。
物語形式で進むため、理論書のような堅さがなく、登場人物たちのやり取りから自然に「売るとは何か?」を理解できる構成になっています。
学び① アメリカの鉄道会社が衰退した理由
実はアメリカでは、昔は鉄道が主な輸送手段でした。しかし今は衰退しています。なぜでしょう。
「車やバス、飛行機にお客さんを奪われたから。」
確かにそういう面はありますが、話はそんな単純ではありません。
最大の原因は、鉄道の利用者が車やバス、飛行機などの他の輸送手段を使っても、鉄道会社の人たちは気にしなかったことです。
「なぜ、お客さんがどんどん他に流れているのに、鉄道会社の人たちは気にならなかったのでしょうか?」
その原因は鉄道会社自身の考え方にありました。
彼らは、自分たちの事業を”輸送事業”ではなく”鉄道事業”と考えていたんです。
だから、自分たちのお客さんがバスを使っても、「ウチは鉄道会社だから関係ない」と思ってしまったんです。
製品志向=商品そのものを重視
市場志向=お客様の生活を重視
もし「輸送事業」として捉えていれば、飛行機やバスの台頭に対応できたかもしれません。
このエピソードが教えてくれるのは、
「何を売っているのか?」を間違えると、どんな企業も衰退するということ。
成功している企業ほど、「お客様の価値」を軸に考えています。
学び② 「お客様の言いなり」は売れない理由
お客様の要望をすべて聞いても、その商品が売れるとは限りません。
なぜなら、“顧客が気づいていない課題”を解決できなければ、
心の底から「欲しい」とは思ってもらえないからです。
本当に必要なのは、
「お客様がまだ気づいていない価値」を提供すること。
これがマーケティングの核心です。
学び③ 街の電器屋さんが生き残る理由
街の電器屋さんはどうやって成長していると思いますか?
電器屋さんの価値は”価格”と”品揃え”を重視しがちですが、他にもあるのです。
街の電器屋さんが提供できて、家電量販店が提供できないものを考えると、答えは見えてきます。
それは、「地域密着サービス」という価値を提供しているからです。
価格や品揃えではなく、
「顔なじみが来てくれる」「困ったときに助けてくれる」という安心を売っている。
この考え方を “バリュープロポジション” と呼びます。
顧客が望んでいる × 自社が提供できる × 競合が提供できない価値
= バリュープロポジション
学び④ キシリトールガムがヒットした理由
ガムといえば“味や香り”が価値と思われていました。
そこに「虫歯予防」という新しい価値を付け加えたのがキシリトールガム。
つまり、既存の市場に新しい“価値の軸”を持ち込んだ成功例です。
“おいしい+健康”という組み合わせが、新しい顧客を生み出したのです。
学び⑤ 「100円のコーラを1000円で売る方法」の本当の意味
コーラは、ディスカウントストアで1缶50円とか60円くらいで販売されています。
でも、同じコーラが1000円で売っているところもあります。
もちろん、特別制のコーラというわけではなく、中身はディスカウントストアで売っているコーラと同じ液体です。
リッツ・カールトンのルームサービスで飲めば1,000円はします。
氷の温度、グラス、空間、サービス――
それら全てが「体験という価値」になっているのです。
つまり、売っているのはコーラという液体ではなく、“心地よい体験”という無形の価値。
これが、「100円のコーラを1000円で売る方法」の真意です。
まとめ|価値を売るとは、体験をデザインすること
この本が教えてくれるのは、「モノ」ではなく「価値」を売るという発想の転換です。
マーケティングを難しい理論で学ぶより、物語の中で主人公と一緒に考えることで、自然と理解できました。
初心者でもスッと内容が入ってくる一冊でした。
“売る”ことの意味を考えたい人には、間違いなくオススメです。

